8年から23年かけて制作した作品をご紹介
芯漆(しんしつ)でつくられた孔雀香合(くじゃくこうごう)。孔雀は鳳凰の起源とされる鳥です。
古来より神のつかいとされ、縁起の良く、不老不死、子孫繁栄のシンボルとされてきました。なにより絢爛(けんらん)豪華、美しさで右に出るものはないと思います。
その孔雀を芯漆で表現したいと思い製作しました。
螺鈿(らでん)を埋め込みその上に漆を塗り重ね、研出し、さらにその上に蒔絵を重ねました。
漆の偏光性を意識して重ねられているので、見る角度や光の種類、光量で色々な輝きは発します。
材料は漆、金、銀、螺鈿、地の粉。製作期間は約10年です。
芯漆の他、螺鈿象篏、砥出蒔絵、高蒔絵、平蒔絵の技術で造られています。
漆は有機物で最も安定した物質です。孔雀の不老不死、絢爛豪華のイメージが漆と蒔絵にマッチしました。