~ 生き続ける“漆” 『透明感』と『偏光性』が最大の魅力 ~

Shinshitsu lacquer art 芯漆 技法

漆<うるし>は乾燥しても、作品の内部で生き続けていることから、透明感を増します。漆は年数を経て、徐々に透明になり、透けてくるなど、幾度も塗るうちに色がプリズムのように、光を吸収・分散・屈折して、はじき出し、異なる輝きを見せます。

漆は、塗れば塗るほど、厚さを増し、層を重ねることで、色がどんどんと鮮やかになります。

光の当たり方によって、色が違って見えるのも魅力の一つです。

Shinshitsu lacquer art 芯漆 技法
Shinshitsu lacquer art 芯漆 技法

偏光性、光の当たり方で様々な見え方がする漆の美しさは、漆に携わる人でさえ、気づかない・知らないことが多いのです。

漆は、作品になっても、生き続けます。乾燥しても内部で酵素が生き続けることから、内部で化学反応を起こし、徐々に薄い琥珀色に近づき、透明感を増していきます。漆は高分子化合物で、特異性ある物質なのです。

Shinshitsu lacquer art 芯漆 技法

例えば、漆器の最終段階で、デザイン/模様を描きます。その上にさらに黒漆を塗ると、中に描いたデザインは見えなくなってしまいますが、漆は年数を重ねると、だんだんと薄くなり、琥珀色に近づいていくので、何層も下に描いたデザインが、薄っすらと、鮮やかに浮かび上がってくるのです。

Shinshitsu lacquer art 芯漆 技法
漆の酵素が中で生き続けるので、「偏光率」が高まってくるのです。

漆は塗って乾燥しても「生き続ける」ことから、『神秘的』な鮮やかさを持ち続けます。漆は人を魅了する自然の『生き物』です。

漆が「生きている」からでしょうか。口当たりに関して、一部の人は、「漆の器で水を飲み、薬を飲むと、喉とおりが良い」と、日本酒のソムリエは、「口当たり、肌合いが、普通のコップとは違う」と言います。

口づけ、キスをしているようだ」という人もいます。

漆ならではの“温もり”が漆器にあるのだと思います。

『芯漆(しんしつ)』技法でつくった「ぐい吞み」などの器で、最大限の“漆の温もり”を感じながら、一杯飲んでみてはいかがでしょうか?

また、漆は防菌、菌耐・殺菌効果があることでも知られています。

Shinshitsu lacquer art 芯漆 技法
Shinshitsu lacquer art 芯漆 技法

Shinshitsu lacquer art 芯漆 技法

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