【メディア掲載】徳島新聞に「漆器の新技法を完成させた兄弟」として登場

2020年10月4日付の徳島新聞の人物コラム「人」に、「漆器の新技法を完成させた兄弟 山崖宗陽さん・松堂さん 漆の価値を世界に知ってほしい」と題された記事が紹介されました。

人 漆器の新技法を完成させた兄弟 山崖 宗陽さん 松堂さん 漆の価値を世界に知ってほしい 「最高の作品を世界に示す」。試行錯誤の末に完成させた、芯から表面まで全て国産漆を使う漆器の新技法「芯漆」。山崖兄弟は作品を手に取りながら目を輝かせた。老舗塗師屋の山崖松花堂(石川県輪島市)の家に生まれ、共同で17代目を継いだ。だが、従来の漆器は、木材などを使った芯が傷むと―がれたり割れたりして、長持ちしないことに疑問を抱いていた。漆自体は安定した化学構造を持つため、芯まで漆にすれば経年劣化を抑えられると考え、2000年に本格的な研究を開始。弟の松堂さんは「1日に20時間近く取り組むこともある」と話す。芯漆のアイデア自体はそれほど珍しくなかったが、問題は必要な時間だった。漆器は漆を塗って硬化させ、ざらつかせた後に再び塗るという工程を幾度となく繰り返す。通常だと芯ができるまで数年、作品完成に20年以上かかるが「適切な室温や湿度を徹底的に調べた」(松堂さん)。硬化を早めることに成功し、同期間で工程をより多く繰り返せるようになった。徐々に作品数を増やし、20年2月に芯漆を商標登録。6月に展示や販売の本格展開を発表した。芯漆の厚い層の漆は内部で化学変化が進み、徐々に透明度が増す。光を複雑に反射させ、見る角度によって色合いが変わる独特なアート作品になった。食器以外に仏像など複雑な装飾付きの作品にも取り組む。兄の宗陽さんは「もうけるため作っているのではない。漆の価値を世界に知ってほしい」。兄58歳。弟55歳。

「芯漆」とは、従来利活用されていた木地などの下地を一切使わず、“芯”から細部、表面まで全ての部分で日本産の漆を100%使ったこれまでにない世界唯一の独自の“アート”技法です。

詳しくは以下「芯漆とは」のページをご参照ください。

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